お掃除の人
トイレで、いつもは黙々と掃除をしているお掃除の人が、興奮気味に話しているステキな場面に出くわした。
「あ、**さん、ここにいたのねー。もう本当に××さんは、ダメよ。」
ひそひそ。
「あの悪口を絶対にいわない○○さんでさえ、言ってたもの。ほんとにダメなのよ。」
ひそひそひそひそ。
「××さんは、いっぱいもらってんだからお給料分はたらいてもらわなくちゃ」
「え? そうなの?」
「そうよー、主任だもの」
ひそひそひそ。
「××さん、あれでも、S高校出てるんだから、頭いいはずなのよ。」
「S高校出て、掃除してちゃしょうがないわねー」
ひそひそひそ。
「でも、××さん。まだ若いからね。わかんないのよ。」
「そうねー。わかんないのよね。まだ40歳だから。」
ひそひそ。
たぶん、仕事中は私語厳禁なんだろうけど、そして、洗面台で、無駄に手を洗って、じーーーっと聞き耳をたてている私にもおかまいなしで、それどころじゃないってかんじで、話し込んでいた。
ステキだ。40歳の若造に、わかるわけないのだぞ。