シマミヤコへ出発の巻

イモリ

南国はいい。けだるくて、けだるいことが当たり前なカンジが好きだ。空と海と植物と建物の色彩といい、しばらく住みたいと思ったりして、タクシーのなかでは、自分が実は宮古島で生まれ育った人間だという妄想に浸ってみたりした。そんなわけで、島自慢をしてくれる人のいいタクシーの運転手さんとの会話をがんばらなかった。ほんとマイペース。
初めて、シュノーケリングやダイビングなどのマリンスポーツも体験できたし、リゾート満喫。
いっぽうで、裏トピックスといえば、なんといっても、セイ*リレーと火傷である。女子が4人も集まれば、色々と問題があるもので、そのひとつが、アレなわけで・・・(北の国から純くん風)。

出発の飛行機で、離陸直後、「そろそろ終わりそう」な女子にむけて、「ペさま(ヨンさま)」の間抜けさについて語っていた。「ぺ・ヨンジュン自伝」のこの内容↓を思い出しながら。

「ここで、とても困った思い出をひとつ。
「若者のひなた」の撮影中、僕はトンド寺の方でサイン会をやったことがある。当日、移動時間があまりなかったので、おしっこをがまんしてサイン会の現場に向かった。会場には、トイレぐらいあるだろうと思ったからだ。現場に到着したら、学生を中心にファンがもう大勢来ていた。人だかりを縫うようにして中に入り、スタッフにトイレの場所を聞こうとした。
 ところが、トイレはないと言うではないか。目の前が真っ暗になった。いったん会場を出て探そうかなと思ったが、見ると人はさらに増えている。整理をするために、警察まで出ていた。スタッフの一人がバケツを持ってきてくれて、隅の方でしてくださいと言うが、会場内だとどこにしろ、ファンに見られてしまう。僕はこのまま耐えることにした。

時間が経つほど尿意は強力になってきた。サイン会が30分を経過する頃には、突くような痛みに変わった。何よりも辛かったのは、サインをしつつ、一言ずつ声をかけ、そのうえ笑わなければならなかったことだ。本当に大変だった。
サイン会は2時間を越えたあたりで、やっと終わった。立ち上がろうとするが、腰を伸ばすことができなかった。助けてもらって一歩踏み出すのが、焼けた石炭の上を歩く気分だった。僕らは車に乗るやいなやスピードを上げた。5分ぐらいで山道に入った。僕が用を足そうと、ちょうどいい具合の木の下まで走っていった時、スタッフも車から降りてきて、タバコに火をつけはじめた。僕が用を足している間、彼らは気持ちよさそうにタバコを吸っていた。

これ以降、何か用事がある時は、必ず事前にトイレに行くようになった。そのために、多少遅れても仕方がない。また現場に到着したら、すぐにトイレの場所を確認するようにもなった。人間は、痛い目にあった場合は特にそうだと思うのだが、どんな経験を通しても、賢くなることができるようだ。」

なんか間抜けではないか! 
さて、自分はといえば飛行機のなかで、通路より奥の席だったので、一度も席を立たなかった。ゲームボーイスーパーマリオをかりて夢中になっていたり(1−2すらクリアできず)、すやすや眠ったりしていた。
しかし、着陸のためのシートベルト着用のサインがつくころには、ヨン様をバカにしたことを悔いていた。
宮古島の空港につくやいなや小走りに・・・。直通便は、ラクだなぁ。
しかし、女子トイレ特有の行列をクリアして、さわやかな心持ちになっているはずの自分の表情は沈んでいた。アレに、なってる・・・。

つづく