なんじゃこりゃぁあああ

こども

初恋を自覚したかなり決定的な瞬間というのがある。
音楽の時間、音楽室で、たまたまその子が、隣に座ったとき、「ドッキーンドキドキドキ・・・」と心臓が全身に主張をはじめたのである。びびった。「なんじゃこりゃ〜!」と。
さらにさらに、今でもはっきり覚えているけど、運動会でリレーの選手かなんかだったその子が走っている姿がスローモーションに見えたのだ。すでにトップと大差がついていた状態だったけど、ものすごく一生懸命走っていた。歯をくいしばって。まわりにキラキラしたエフェクトかかってた。あれ? 目がヘンなことになってると思いつつちょっと感動した。
まったく不思議な恋という生理現象。少女漫画という膨大な予備知識があったおかげで、不思議な生理現象を「初恋」と名付けることができたけれども。

会社の友達に初恋のハナシをきいたら、あまりに出来すぎた美しいハナシだった。映画のような。でもきっと、映画でみたら、出来すぎていてリアリティを感じられないにちがいない。リレーの選手の朝練で仲良くなって、放送室で手紙を交換するっていう。美しい。私のは、完全にうちむきな現象だったけど、友だちのハナシは、「小さな恋のメロディ」・・・ステキ。

それにしても、どうしていい気分のあとは、ちょっとだけ自己嫌悪になるんだろ。