屋久島のおもひで-海中温泉

smirnoff_ice2005-10-24

屋久島から東京に帰ってきて、翌日、会社にいくと、車酔いのような状態になってしまった。空気が悪いというか、もう、具合が悪くてしょうがない。
屋久島にいった人々の多くは、ヤク(屋久)中になってしまうらしく、自分もまさにその禁断症状。こんなおもいをするくらいなら、もう二度と旅行なんてしない・・・とまで思った。

ところで、先日、スピリチュアルな能力のある友人に、「左の肩のあたりに木霊さんがついてる」
といわれた。屋久島からついてきたそうな。木霊さんというのは、白く、ほわーんとした「もののけ姫」のアニメにでてくるのとそっくりの形をしているらしい。自分には全くみえないけど、そんなものがついているなんて、ちょっとうれしい。やっぱり、また行こうと思った。

屋久島では、免許をもっている友だちのおかげで、毎晩、温泉にいくことができ、屋久島の主要な温泉には、全部入った。なかでも、印象深かったのは、湯泊温泉と平内海中温泉で、海とつながったところに温泉があるのだ。湯泊温泉は、一応男女別になっていて、ちょっとした仕切りのようなものはあったのだが、ほとんど気持ち程度の・・・あまり機能していない仕切りだった。そして、どちらも、水着を着てはいってはいけないらしい。
一応、女性としては、恥ずかしいので、小中学生が、水泳の授業のときに、活用するようなゴムがついているバスタオルを持っていって、いいお天気の午後の湯泊温泉に入った。しかしまあ、男湯のほうのじいちゃんも、女湯のばあちゃんも、ごくごく自然に日常の入浴をしていたので、だんだん気にはならなくなって、バスタオルもぬぎ、キラキラ光る海を眺めながら、温泉を味わったのだが、その後、そのバスタオルを、仕切りにひっかけたままにして、忘れてしまった。屋久島初日のこと。
夕飯ギリギリの時間に宿に到着し、夕食で満腹になった後、今度は干潮の前後2時間だけ出現する平内海中温泉に行こうということになった。この季節は、お昼と夜中の1時前後が干潮の時間だ。
なんとも強行スケジュールだが、翌日やその翌日は、白谷雲水峡や縄文杉をみにいくため、朝早かったりして、初日がラストチャンスだったのだ。タフな友だちと旅すると、もりだくさんの経験をさせてもらえる。
平内海中温泉に行く途中、寝泊温泉を通ったので、車をとめてもらい、バスタオルを取りにいこうとしたのだが・・・。車をおり、懐中電灯をもって、温泉まで歩く途中、どうしても・・・こわい。夜は、なかなか体験したことがないような真っ暗闇なのだもの。巨木の根っこのおどろおどろしさといったら、まるで、食べられてしまいそうだった。絶対、何かいる! 妖怪好きの別名、妖怪子さんに付き添ってもらっているのに、彼女が時々、ビクッと身を固めるので、そのたびに、お互いにビクビクと恐怖を増幅させてしまう。結局・・・お昼は、何とも思わず行けた道を進むことが出来ず、途中で脱兎のごとく逃げ帰ったのだった。

それでも、無事、平内海中温泉にはたどりつくことができ、誰も人がいなかったので、堂々と素っ裸になり、そして、満点の星をみながら、ゆったり温泉を満喫できたのだった。真っ暗で、静かで、波の音だけがしていて、星が輝いていて、宇宙にいる気分だった。
あのときのあの瞬間にをいつでも経験できるマシンが、ほしいよ、ドラえもん