スーパーの袋

ふくろ

レジでひどく無造作な感じでもらったスーパーの袋の口が全然開かなかった。爪を立てたり、指先に息を吹きかけて湿らせたりしてみても、ぴたりとくっついて、口をあける気配がない。
その間、私の目の前からは、何人もの人たちが、悠々と袋に品物をつめ、買い物カゴを片付けて去っていく。そうだ、この袋は、不良品にちがいない。袋ではなくて、1枚のビニールにしかなっていないのだ。新しい袋をもらってこよう、、、と思った瞬間にあいた。
いったい何分かかったのだろう。

私には、お年寄りやハンディーキャップをもつ人たちの気持ちが、よくわかる。スーパーの袋があかないときや、何度もきたことがある道に迷ったときなどに。あかないスーパーの袋が、思いやりを育ててくれるんだ。きっと。