昇華

影

漠然とした不安というか、ウツというか、感情のネガティブな波がざわざわやってくるとき、それにのまれない努力をするのが正しいと思うし、そうしているつもり。
だけど、それを続けていると、ひどく冷静に、存在そのものが無価値に思われて、低温火傷みたいな痛さでヒリヒリしてしまう。無駄なものと相対していることに疲れきってしまうというか。

音楽を作れる人がうらやましい。そういう感情の波をきれいなメロディーや心地よいリズムでシンクロさせることができるのはすばらしい。
絵が描ける人。写真を撮れる人。色や形や線。何か美しいものを求める気持ち。
詩人。歌人。作家。漫画家。同じ、もしくは、もっと重い闇を抱えている人が、与えてくれるすばらしいと思えるものは、なんだろう。何か真実のもの、何か美しいもの、光となるものを与えてくれる何か。
前向きな人とか気持ちのいい人も、接しているだけでいいなと思う。

結局のところ、そういう何かを見つけたいのだな・・・。

「昇華」という言葉を知ったのは、中学の保健体育の授業だったと思う。教科書に載っていた記憶があるようなないような。第二次性徴と男子の性欲についての説明とセットになっていて、性欲は当たり前の現象です・・・が、スポーツをするとか、他のことに没頭するなどして「昇華」させましょう、みたいなかんじで。いまどきの中学生への教育は、違うのかもしれないけど。
辞書によると
「名](スル)1 固体が、液体を経ないで直接気体になること。また、気体が直接固体になること。樟脳(しようのう)・ナフタリン・ドライアイスなどでみられる。2 物事が一段上の状態に高められること。「作品への執念が芸術に―される」3 精神分析の用語。性的エネルギーが、性目的とは異なる学問・芸術・宗教などの活動に置換されること。」
だそうだ。

青少年の正しい姿。こんなことをうだうだ言っている自分は、中学生レベルということだな・・・。

それにしても、「野沢尚氏自殺」。ショック。