「カフェラテ」を知らないカフェ・ジョリーのマダム

smirnoff_ice2005-01-29

都心に近いのに、後継ぎ不足みたいな雰囲気の「いなか」っぽい下町(ひどい言い様・・・)にも、その交通の便のよさのために高層マンションがどんどん出来てきていて、そのせいで、こじゃれたカフェが出来始めた。
20年前で時間が止まってしまったような「喫茶店」は、もともとたくさんあったのだが、喫茶店のカフェラテは、スチームミルクじゃないのが残念。もちろん喫茶店は味があってそれはそれでステキなのだけど、むしょうに泡がたっぷりのカフェラテが飲みたいときに、スタバとか出来て欲しいなぁと思う。

駅の側の空き地(たぶん)だったところに、最近、カフェ・ジョリーは、出来ていた。わんこ同伴で入れるカフェで、となりと2階にわんこグッズが売っている。手編みのセーターや、バックやカゴや、上質な皮の首輪やお散歩用のヒモや、色々。それに、わんちゃんの美容室もあった。客が私一人なので、店員さんが話し掛けてくる。
「わんちゃんいるんですか?」
「いえ、いないです」
大人になってよかったなぁ〜と思うのは、多分お買い上げをすることのない、あきらかに場違いなお店に堂々と入れるようになったことだ。
「このセーター手編みなんですよ」
「そうですか〜、かわいいですね〜」
ひととおり、雑貨をみてから、カフェのほうもチラチラとのぞいてみると、若いころには、学生運動しててフォークソングとかうたってそうな、お上品なショートカットのマダムに、「どうぞ〜」と声をかけられた。ちょっと加藤登紀子に似ている。

迷ったけど、興味があったので、カフェのほうにも入って、
「あったかいカフェラテください」
とオーダーしてみた。
カウンターの奥の厨房のほうには、たぶんマダムの旦那様と思われる口ひげの似合うダンディーなオジサマがいらっしゃった。
すると、マダム加藤登紀子似は、ちょっと戸惑いながら、
「ええっと、ミルクつけるのは、できますよ。紅茶にミルクよね? だって、カフェラテって、テだから、紅茶よね?」
と・・・。えええ?! カフェはどこへいったのかな??? びっくりした。
「・・・じゃあ、それでおねがいします。」
こっちがごめんなさい、という気持ちになって、紅茶とレンジでチンしたミルクを混ぜて飲んだ。味は、薄めで、やっぱり20年前で時間が止まったような喫茶店と同じ感じだった。でも、食器もスプーンもかわいかったし、気を使わない雰囲気だったので、だらだら読書などをしてみた。

カフェラテを紅茶だと思っていて、カフェを経営できるんだなぁ・・・。お金持ちそうだったし。